睡眠時無呼吸症候群とは?
日本では、2003年2月26日の山陽新幹線の事件によって一躍有名になり社会的に大きく取り上げられるようになりました。この事件は山陽新幹線の運転士(33歳)が運転中に寝込んでしまい、最高時速270キロで8分間居眠りをしたまま31キロ走行し、自動列車制御装置(ATC)が作動して岡山駅に本来の停車位置の100m手前で自動停止した事件です。この運転士が睡眠時無呼吸症候群であることがわかり、大騒ぎになりました。
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に無呼吸の状態になる病気です。一般的に無呼吸とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群という名前はSleep Apnea Syndrome(頭文字をとってSAS)の訳語です。
SASによって引き起こされる異常な眠気は交通事故の頻発、仕事中の居眠りなど社会生活に大きな影響をもたらします。また睡眠中の呼吸停止が引き起こす低酸素状態の影響は、高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、心不全などの原因になることも明らかになっています。さらに重症のSASを放っておくと、死亡率が有意に高くなることも証明されています。